犬と猫のマイクロチップ登録、変更登録、届出の期限は?

別の記事で「装着」の期限についての説明をしましたが、装着後は、基本的に、登録、変更登録、届出が必要となります。

どのような場合に、登録、変更登録、届出が必要となるかについては、下記の記事でも解説をしていますので、ぜひご覧ください。

 犬と猫のマイクロチップ情報登録制度とは?

では、この「登録」「変更登録」「届出」に期限はあるのでしょうか?

こちらについて以下で解説していきたいと思います。

マイクロチップ登録等の期限の概要

登録等の期限は、装着と同様に、動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護管理法)に記載されています。

この期限については、内容や状況によって少しづつ異なります。

順に説明していきます。

登録の期限

まずは、「登録」の期限について説明していきます。

1.所有する犬又は猫にマイクロチップを装着した場合
 ・・・マイクロチップを装着した日から30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで
(動物愛護管理法 第39条の5 第1項 第1号)

2.(犬猫等販売業者のみ)マイクロチップが装着されているが、登録を受けていない犬又は猫を取得した場合
 ・・・犬又は猫を取得した日から30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで
(動物愛護管理法 第39条の5 第1項 第2号)

3.(犬猫等販売業者のみ)令和4年5月31日以前にマイクロチップが装着された犬又は猫を所有している場合
(動物愛護管理法 附則(令和元年1月19日法律第39号) 第5条 第1項)
 ・・・令和4年6月1日から30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで
(こちらは、令和4年6月30日までなので、期限は過ぎています。)

犬猫等販売業者以外の方は、上記1.にしか該当することはありませんが、犬猫等販売業者の方は、上記1.だけでなく、2.や3.の場合でも、登録が義務となっているため、上記のように規定が分かれています。

とはいえ、その事象が起きたときから、「30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで」という視点で見ると、期限については違いはありません。

また、30日を「経過する日」がいつまでなのか、ということですが、例えば、令和4年7月1日に装着をした場合、令和4年7月30日までが期限となります。

尚、犬猫等販売業者以外の所有者で、令和4年5月31日以前にマイクロチップが装着された犬又は猫がいる場合は、登録は任意ですので、期限はありません。
(動物愛護管理法 附則(令和元年1月19日法律第39号) 第5条 第2項)

変更登録の期限

次に、「変更登録」の期限について説明していきます。

3.(犬猫等販売業者)登録を受けた犬又は猫を取得した場合
 ・・・マイクロチップを装着した日から30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで
(動物愛護管理法 第39条の6 第1項 第1号)

4.(犬猫等販売業者以外)登録を受けた犬又は猫を、登録証明書とともに譲り受けた場合
 ・・・犬又は猫を取得した日から30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで
(動物愛護管理法 第39条の6 第1項 第2号)

条文では、犬猫等販売業者と犬猫等販売業者以外で違いがありますが、犬猫等販売業者以外の方の場合は、登録証明書とともに譲り受けた場合のみ、登録が義務とされているため、上記のように規定が分かれています。

とはいえ、「取得した日から30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで」という期限については、違いはありません。

届出の期限

最後に、「届出」の期限について説明していきます。

5.登録や変更登録を受けていて、登録した内容(氏名、住所、電話番号、犬又は猫の所在地)等に変更があった場合
 ・・・変更を生じた日から30日を経過する日まで
(動物愛護管理法 第39条の5 第8項、第39条の6 第2項)

6.登録を受けた犬又は猫が死亡したとき
 ・・・遅滞なく
(動物愛護管理法 第39条の6 第1項 第2号)

上記6.だけは他の規定と違いがあり、「遅滞なく」とされていますが、期日が規定されていません。

「遅滞なく」とは、「すぐに」という意味です。

ちなみに、法律の条文等では、「すぐに」という意味で、「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」というように違いを付けて表現をします。

「遅滞なく」を他の2つと比較すると、「直ちに」や「速やかに」という表現ほど、時間的即時性を強く求められているわけではありません。

だからといって、放っておいてもいいということではなく、あくまで「遅れ、滞ることなく」対応しなければいけません。

尚、時間的即時性を強く求められている表現の順としては下記のようになります。

 直ちに > 速やかに > 遅滞なく
 (左に行くほど時間的即時性を強く求められます。)

まとめ

上記をまとめると以下となります。

・「登録」の期限は、各事象が起きたときから、30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで。

・「変更登録」の期限は、取得した日から30日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)まで。

・「届出」の期限は、登録した内容に変更を生じた日から30日を経過する日まで。登録を受けた犬又は猫が死亡したときは遅滞なく

犬と猫のマイクロチップ登録、変更登録、届出の期限についてまとめてみました。

しっかりと期限を守って対応をお願いします。